酵素の話 - 酵素栄養学とは

現代科学と経験のギャップ

現在の科学的知識ですとタンパク質は小腸でアミノ酸に、炭水化物はグルコースまで分解され吸収されるとされています。分解され吸収されたそれらの物質は体内酵素の力で違うタンパク質等に組み替えられる事になります。ですから摂取した食物に含まれる酵素等がそのまま人体に影響を及ぼすとは考えません。しかし現実の世界ではコラーゲンを摂ると肌質が改善されたり、グルコサミンを摂ると関節の動きがよくなったりする事が多々あります。化学常識ではコラーゲンもグルコサミンもいったん体内で分解・吸収されたのちに再構築されるので肌質改善に使用されるとは限りませんし、軟骨生成に使われるとも限りませんがそのように働く事が知られているのが現実です。また人が消化吸収できないと考えられているような物質も吸収される事があり、これらも未解明のものといえるでしょう。

酵素栄養学とは

消化吸収の仕組みには解明されていない事があるのではないでしょうか。1980年代にエドワード・ハウエル博士が提唱した酵素栄養学と呼ばれる学問があります。酵素栄養学は潜在酵素と食物酵素という概念を打ち出し、潜在酵素は体内で消化をはじめ様々な生体活動に使われるもので、生物の一生に使う総量が決まっておりその上限で寿命が決まるとしています。
また食品に含まれている酵素を食物酵素と呼び食物酵素が食品の消化を助けることにより潜在酵素の消費を抑え寿命を延ばすことにつながるとしています。

酵素栄養学からの発展

この理論と類似した持論を唱えているのが「病気にならない生き方」という著名な本を書かれた新谷弘実先生です。新谷先生は著書で全ての酵素の元になる物質をミラクルエンザイムと名付けています。ミラクルエンザイムの総量で寿命が決まるとし、その消費を抑える事で寿命を延ばすことが出来るとしています。また酵素を構成するアミノ酸には記憶があり分解吸収されたのちにも体内で同じ酵素に再構成されるとしています。

検証が難しい新理論

これらの理論の中核となる、食品中の酵素活性の測定、体内での酵素活性、酵素がどの程度消化に関わるのか、食品中の酵素は人がもつ消化酵素の利用制限につながるのか、など検証されていない事が多く存在しています。現代の科学ではこれらの実験検証は非常に難しいのが現状です。


ページトップへ